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身体に負担をかけないテレワーク環境の作り方

こんにちは。政府の緊急事態宣言を受け、テレワークを求められる方も多いのではないでしょうか。そこで今回はテレワークにおける疲れにくいツール選びのポイントと正しい姿勢をご紹介させていただきます。
ポイントは『楽な姿勢=疲れにくい姿勢』ではないという事。そしてずっと座っていることはどんな姿勢であれ身体が辛くなるので最低2時間に一度は数分でいいので机を離れて身体を動かす事です。

テレワークについて

今回の記事のテレワークは、いわゆる在宅ワークのことを指すと思ってください。

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語

テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つ分けられます。
(日本テレワーク協会「テレワークとは」冒頭より)

上記によると、上記のような定義がされているものの、2020年4月19日現在、緊急事態宣言が出される中外出の自粛を強く求められています。
そこで、これらのテレワークの3形態の中でも「自宅利用型テレワーク(在宅勤務)」について、今回はお話をさせていただきます。

対象

今回は30代のパソコンワークを主とする方向けの内容としてご紹介します。初めて家の中で仕事をする人、デスクワークが1日8時間程度行われる想定です。大概の方は肩こり・腰痛・頭痛・背部痛といった症状をお持ちではないでしょうか。

テレワークでPC作業をする上でおすすめの姿勢、おすすめできない姿勢

今回デスクワークにおいて3種類の姿勢について提案させていただこうと思います。テレワークはオフィスでの仕事と異なり決められたデスク周りがなく、自分で用意しなければなりません。ある程度自分の家の環境に合わせて作成する必要があるので①椅子に座る②床に座る③スタンディングで行うの3種類を提案していこうと思います。

①共通の姿勢注意点

家で仕事をするとき、環境は人それぞれだと先ほど述べました。それぞれの環境によって大事なポイントは異なりますが、まずは共通して注意しておきたいポイントについて解説しようと思います。

 

(1)骨格全体で全身を支える

まず大前提として知っておいていただきたいことは、正しい姿勢で身体を維持することとは、骨格全体で身体を支え、一つの部分だけに負担をかけ過ぎないことが大前提です。立つ姿勢であれば頭蓋骨から足の指の骨まで、座る姿勢であれば頭蓋骨から骨盤までで身体を支える必要があります。それを筋肉が補助し、神経がバランスなど調整することで全身余計な負担なく身体を支えることが可能になります。

姿勢が悪いというのはどこか局所が負担を強いられ、身体を骨格全体で支えられず一部の筋肉や骨が疲労しやすく、バランスが崩れている姿勢のことです。たとえご自身がこの姿勢が楽だと考えたとしても、それは一部の筋肉が活動をさぼっているために感じる誤解であり、長期間で見るとさぼった筋肉の代わりに働いている筋肉が負担を強いられて怪我につながりやすい状態になってしまっているかもしれません。姿勢を安定させるためには他にも様々な条件がありますが、まずは骨格全体で身体を支えることをご理解ください。

 

(2)頭蓋骨~骨盤までをまっすぐ支える

身体を支えるとき、特に重要になるのが頭~背中~腰~臀部までのいわゆる体幹です。身体の奥にある深層筋、いわゆるインナーマッスルによって支えられ、大事な内臓を守ってくれる部分でもあります。体幹が不安定だと徐々に姿勢が崩れていき、負担のかかりやすい悪姿勢になりやすくなります。

背骨はその体幹を支え、頭から臀部までをつなぐ重要な骨になりますが、ただただまっすぐに上から下に伸びているわけではなく、3回カーブしながら上下に伸びています。これは上部の重さを支える際、湾曲しているほうが衝撃を吸収しやすいからといわれています。頭部はそれだけで5kg以上あります。ボーリング玉ほどもある頭部を支え、安定させるための理想の形に人間は進化してきたというわけです。そのカーブを維持し、余計な負担をかけないためには耳・肩峰(肩の出っ張り)・大転子(股関節の出っ張り)を結んだ線が床と垂直になり、体重を安定して支える必要があります。

正常な背骨。きれいなカーブが描かれている。

(3)ディスプレイは目線と同じ高さ

身体に最も優しいディスプレイの高さは、目線と同じ高さです。それぞれの座り方の正しい姿勢(次章以降でそれぞれ解説)で座った時、顔を前に向けた際目線がディスプレイの一番上あたりに来る位置が一番首への負担が少なく、楽な高さになります。

ディスプレイの位置が低すぎると首前面の筋肉が縮み、後面の筋肉が伸びたままその姿勢を維持しなくてはならなくなります。高すぎると逆に首前面の筋肉が伸び、後面の筋肉が縮みたままの姿勢になります。ノートパソコンなどを利用してどうしても高さをそんなに高く保てない場合は外部ディスプレイを使用するか本などを積み、デスクの上を嵩増しして対応するといいでしょう。

 

(4)キーボードとマウスは肘を床と垂直に曲げた時軽くボタンに触れる高さ

キーボードとマウスの高さについては肘を床とほぼ垂直に曲げ、肘~手首~手までが一直線になるようにキーボードに触れる事ができる、というのがポイントになります。肘の位置は個人の好みによって多少高さを変えても構いません。肘から手までが一直線になることが重要です。(ちなみに筆者はキーボードがやや低めの位置にあったほうが使いやすく、手の負担が少ないと感じるためやや低くしています。)極端に高さを変えてしまうことはおすすめしません。肘が曲がり過ぎると肩・腕の前面に負担がかかり過ぎるし、手首が折れ曲がってしまいます。肘が伸びすぎるとキーボードに軽く触れることが難しく、無意識に指を浮かそうとし、力を加えて支えてしまうため負担が増えてしまいます。おおよそ床と肘を垂直にすることは意識してキーボードとマウスの位置は決めるべきです。

手首が曲がらないよう一直線になるように。

手首が折れ曲がると手首に負担をかけてしまい、腱鞘炎や手根管症候群といった怪我につながります。なるべく手首を曲げないようまっすぐに保つことができる位置に配置しましょう。また、(2)でお伝えしたように体幹に負担なく身体を支えるためには耳・肩峰(肩の出っ張り)・大転子(股関節の出っ張り)を結んだ線が床と垂直になり、体重を安定して支える必要があります。キーボードをなるべく身体に近づけ肩をあまり前に出さないようにしましょう。

 

ノートパソコンを使っている方は、ディスプレイとキーボードが切り離せないと思います。そのような場合でも外部のキーボードなどを使いディスプレイとキーボードの位置を正しい高さに合わせたほうがいいでしょう。

 

(5)ずっと同じ姿勢でい続けない

(1)で正しい姿勢を維持するためには骨格全体で身体を支えることをお伝えしました。身体を動かすには骨格だけでは出来ず、筋肉が収縮することによって身体は初めて動くことができます。動かすのに筋肉が必要なように、動かずじっとしていることにも筋肉は重要です。空気椅子を何分も続ければ太ももの筋肉などがプルプルすることはイメージできると思います。人間は同じ姿勢でい続けるのにも筋肉を使い続ける必要があるのです。そしてずっと同じ姿勢でいるには同じ筋肉が使い続けられます。それはどんなに正しい姿勢でも同じで、時間がたてばどんな姿勢でも必ず疲れが出ます。その結果より楽な姿勢に導こうとすれば姿勢が崩れ、骨格全体で身体を支えることができなくなり、悪姿勢となります。そうなる前に最低でも2時間に1度は休憩をはさみ、席を立って運動を行いましょう。出来ることなら30分に1度は身体を動かす事がおすすめです。

⑤おすすめの運動でいくつか身体をほぐす運動をご紹介することにします。

 

②椅子に座る

多くの方はパソコンデスクにパソコンを置き、椅子に座って仕事をするのではないかと思います。オフィスの多くでもこの形が採用されており、一般的に広まっている形だと思います。

(1)理想的な椅子座位姿勢

一方、理想的な座位姿勢とは、頸部から体幹、大転子までが床に対し垂直になり、股関節・膝関節が直角になり、足底が地面についていることとされています。身体の真上から糸で軽く引っ張られているイメージです。この姿勢は、筋肉をあまり使わず楽な姿勢というわけではなく、特に体幹をまっすぐ保つ・顎を引き視線を前に向ける・ハムストリングスで身体を支える等、必要な部位に適度に筋力を必要とします。同じ姿勢でいるということはどのような姿勢であれ特定の筋肉に多少なりとも負担をもたらします。正しい座位姿勢を行うにしてもそれは必ず起こります。最低2時間に1度は席を立ち、身体を動かしましょう。理想は30分に一度は席を立って身体を動かし、リフレッシュを図りましょう。ずっと同じ姿勢でいると身体がもぞもぞして動かしたくなる時があるのではないでしょうか。それは身体がヘルプを出している証拠なのです。テレワークが必要な状況では自分の身体の訴えを素直に聞き、身体を動かすことも出来るのではないのでしょうか。これからも長く健康な身体でい続けるために、ぜひ正しい姿勢で仕事を行うことを意識してはいかがでしょうか。

 

 

図1:理想の姿勢

(2)よくある悪姿勢

座位におけるよく見られる姿勢は図2のように背中が丸まり顔をパソコンの画面に近づけて顎が上がってしまう姿勢ではないでしょうか。

図2:よくある悪姿勢①

この姿勢はある程度の時間集中して作業を行うときによく見られます。画面に集中するあまりだんだんと顔が近づき、体幹は疲労するあまりいかに筋肉を使わずに楽をするかを無意識に考え背もたれやひじ掛けに身体を預けようとします。すると身体は後ろに体重を預けたがるのに頭はそれでは画面が遠くなりさらに顔を画面に近づけたがります。結果的に背中は丸くなり、顎が上がり図2のような姿勢になるのです。

特定の筋肉だけに負荷がかかると筋肉はその刺激に対し耐えられる身体を作ろうとし、その部分を硬く硬結を作ります。これは負担の多い部分を強化するための身体の防衛反応なのですが、この硬結が正常に身体を動かす時に弊害を生みます。図2の姿勢が常態化すると首の後面と胸に必要以上に負担がかかり、首コリ・肩こり・猫背・ストレートネックが常習化してしまいます。首を通る血管や神経が圧迫されることで頭痛・めまい・頭がぼーっとしやすくなります。作業中の姿勢としては筋肉を使っていない分楽かもしれませんが、決して良い姿勢とは言えず、疲れを残しやすい姿勢といえるでしょう。

図3:よくある悪姿勢②

 

図3はこれもまたよくある悪姿勢である。背もたれに大きくもたれかかり、おしりを前にずらして仙骨を後傾させています。この姿勢でもやはり背中が丸くなり、頭からおしりまでがアーチを描いて丸まってしまいます。身体が丸まると内臓が圧迫され、胃下垂や胃酸過多・十二指腸潰瘍や膀胱炎・便秘になりやすいので注意が必要です。

(3)ツール選びのポイント

①椅子

椅子に座り、デスクで仕事をする際、最も大事なものは椅子だと思います。自分が腰かけ、正しい姿勢をとるためには椅子が一番大事で、デスクなどはその椅子に合わせて用意すればいいと思います。

一般的に理想とされる椅子・デスクの高さという物がありますが、計算式は以下の通りです。

椅子の高さ:身長×0.25―(0~2)cm

デスクの高さ:身長×0.25―(0~2)+身長×0.183-(0~2)cm

ここでいうデスクの高さはキーボードの高さ分は考慮されていないため、さらに―1~2cm低くデスクは考えるべきかと思います。もちろん個人差がありますのである程度の調整を必要とします。

座面は柔らかすぎないことが一番大事かと思います。座骨が座面の硬い部分にあたるのを実感でき、腰が座面に沈むと骨盤が不安定な分それを支えるため不必要な筋肉まで活動させてしまうためです。薄めで反発力がそう強くないシートになっているのがいいかと思います。とはいえ20~30分程度で座骨が痛くならない程度のクッション性は必要でしょう。

そして座面に深く座り過ぎないこともポイントです。座面にすっぽりおしりが収まるよう座ると脚の筋肉は全くと言っていいほど使われなくなります。特に腰痛に悩まされる方は椅子に座る際あえて浅く座り、脚が体重を少しでも支えてくれていることを実感しながら作業をされたほうが軽くなるでしょう。

背もたれは作業中使わないようにしたほうが身体は楽になります。背もたれを使いたくなるくらいなら立ち上がり、運動をして身体をリフレッシュしましょう。数分程度の休憩でもたれるくらいがいいかと思います。

 

③床に座る

ローテーブルを用いて生活していらっしゃる方、特に一人暮らしの方で多いでしょうか。そういう方の椅子といえばソファ、もしくは座椅子・座布団などで床に座るかと思います。ソファに座る場合、ローテーブルで作業するには身体を曲げ、前のめり気味に行う必要がありこれはおすすめしません。また直接大腿部にパソコンを置いて作業をする方もいらっしゃるかもしれませんが膝の高さだとキーボード・ディスプレイ共に位置が低すぎ、肩こり腰痛を大いに手助けしてしまうことになります。なのでソファは作業には適しません。今回は座椅子・もしくは座布団などで床に座りローテーブルにパソコンを置いて作業する場合を記載します。

 

(1)理想的な床座り姿勢

長座・あぐら・体育座り・正座など、床座りの姿勢はいくつかありますが、私はあぐらをお勧めします。あぐらは背骨をまっすぐに支え、骨盤をある程度安定させることができます。また股関節をある程度動かすことができるので長時間の姿勢維持を強いられる場合でもある程度運動を行うことができるというメリットがあります。一方、デメリットがないわけではなく、股関節が硬い方だとうまく脚を広げられず、背中が丸くなりやすくなります。しかしその他の座り方だとデメリットが大きく、安定した姿勢を保つことが困難なのでやはりあぐらが一番最適かと思います。そして①共通の姿勢注意点で述べた通り頭から骨盤までを起こすことを意識しましょう。お尻に硬めのクッションを置き、座骨の位置を脚よりやや高くして座るとクッションが座骨に当たることを確認でき、骨盤を起こして背筋がまっすぐに伸びやすくなります。

 

(2)よくある悪姿勢

下左図のように背中を丸まり、骨盤が倒れてしまうと腰への負担が増します。主な原因としては股関節が硬いこと、もしくは座る床のクッション性です。股関節が硬いと姿勢を保つために上半身が前のめりになりやすく、座面が柔らかいと安定性にかけるため身体が折れ曲がり、悪姿勢になりやすくなります。下右図のように身体をまっすぐしようと意識して座ろうとすると、股関節が硬い方は満足に脚を倒せず机にあたったりしてとても長時間姿勢を保つことはできなくなります。改善するためには股関節の柔軟性を高めることが第一ですが、前述した通りお尻に硬めのクッションを入れることで脚と床の間に空間ができるので脚を安定して起きやすくなります。それでも辛くなってしまう方は壁を背にしてあぐらをかくのもいいでしょう。いずれにしても股関節の柔軟などを休憩中に行うようにしておきましょう。

 

   

 

(3)ツール選びのポイント

①椅子

選ぶ選択肢は座椅子もしくは座布団かと思います。直接床に座るという手もありますが腰が冷える・床が硬すぎて座骨が痛いといった問題があります。硬い床は安定性が一番あるので、ある程度慣れている方でしたら床暖房やヨガマットを敷くなどして寒さ対策をしたうえで座られるといいと思います。

一方座椅子や座布団などで一番大事なのはクッション性、次いで高さです。30分程度座っていても疲れない程度の硬さが必要で、柔らかすぎるものはおすすめしません。特に股関節が硬く、うまくあぐらをかけない方は少し高さのある高反発の座椅子やクッションなどをお勧めします。

 

②テーブル

あぐらをかいた状態での作業でも、キーボードやマウスの高さ・ディスプレイの高さは上記①共通の姿勢注意点の通りです。正しい座位姿勢を取ったうえでキーボードをテーブルに置き、キーボードに軽くタッチできる高さのテーブルを選びましょう。既に持っているテーブルの高さが合わない時は、ホームセンターなどで売っているテーブルの脚を高くすることができる予備ツールなどで調整するといいと思います。

 

④スタンディングで行う

(1)理想的なスタンディング姿勢

スタンディングで行う場合ほかの姿勢で行うよりもメリットが3つほどあります。1つめは脚の筋肉で身体を支えることができるため腰への負担がより低くなること。2つ目は身体を動かしやすいので姿勢を色々と動かしながら作業ができること。3つ目は仕事自体が運動につながり、運動不足解消につながることです。テレワークの場合通勤時間などで自然発生する歩行時間などが削られ、運動不足に陥りやすいので特に大きなメリットになるのではないでしょうか。とはいえ理想的なスタンディング姿勢で作業を行うためにはいくつかのプロセスが必要となります。普段スタンディングで作業をする人が少ないためスタンディングを始める際ツールをほとんど買い替える必要があります。普段座って作業されている方がいきなりスタンディングに変更をすると身体がついていけず、疲労がむしろ蓄積されてしまうためゆっくりと移行することが望ましいです。徐々に変更を進めていくことができればなまり気味の身体に活を入れることができるでしょう。

さて、まずスタンディングで仕事をする前に正しい立位姿勢について理解しなければ立って仕事することなど無意味かと思います。①共通の姿勢注意点では、筋肉に余計な負担をかけないためには耳・肩峰(肩の出っ張り)・大転子(股関節の出っ張り)を結んだ線が床と垂直になり、体重を安定して支える必要があると申し上げました。立位では大転子までに更に加え膝の皿後部・くるぶしの前2~3cmという点も加え、まっすぐ床と垂直になると理想の軸になります。

・膝を曲げずかといって伸ばし過ぎないように自然に立つ

・臀部の筋肉を軽く収縮させる(肛門をきゅっと締めるように)

・軽く腹筋に力を入れる

・肩甲骨を後ろに軽く引く

鏡で姿勢を確認しながら上記の点を注意して立ってみましょう。腹式呼吸で大きく息を吸いながら行うのがポイントです。その姿勢を意識しながら作業をしていきます。

上記スタンディング姿勢は一例になります。スタンディングの利点である身体の動かし方を活かさないわけにはいきません。こまめに身体を動かすことで一部の筋肉への過負荷を解消しましょう。椅子などはその為に軽く腰掛けられるものをチョイスしたほうがよろしいかと思います。座るのではなくあくまでも軽く体重を預けるためのものとしておすすめします。例えば台を用意して脚を載せる(左図)、腰かけに体重を少し預ける(右図)、足指を動かしたり足首を回すなどある程度ニュートラルな姿勢を維持したまま身体を動かすことができるほうが負担が少なくなります。

(2)よくある悪姿勢

長く姿勢を続けるうち、腹筋が緩み前のめりになることがよくあります。画面が近づき、背中が丸くならないよう注意します。時には腰かけに体重を預けて負担を和らげましょう。

(3)ツール選びのポイント

①椅子

前述しましたが椅子はあくまでも腰を預けて姿勢を変えるために使います。そのため背もたれなどは必要なく、浅くもたれるために使います。そのため滑り止めがしっかりしているもので、座面の高さがズボンの股下から裾までの丈と大体同じくらいの高さが良いとされています。お尻の高さくらいの座面の椅子を選びましょう。

②机

こちらは前述の通りキーボードの高さを肘と同じ程度の高さに調整できる高さの机を選ぶ必要があります。

③床

床が硬すぎると足の裏が疲れることになります。抗疲労マットなどを用いて刺激を和らげることで脚の負担が減らせることでしょう。もし外での仕事を行う場合であればなるべく平たい靴で最低限のクッション性のあるものを選ぶとよいでしょう。指が動かせないような硬い靴を選ぶべきではありません。

⑤おすすめの運動

(1)首をほぐす

首をほぐす際にはフェイスタオルを用意するとストレッチをしやすいです。フェイスタオルを縦に折り、細長くした状態で首にかけて使います。

A.座位もしくは立位の正しい姿勢のまままっすぐ前を向いて行います。後頭部の出っ張りよりやや上にタオルを引っ掻け、両端を片方ずつ持ち、ゆっくりと下へ引っぱります。背中が丸まらないよう注意しながら後頚部が伸びていることを感じて30秒キープします。30秒経過したら首をゆっくり戻します。

   

B.座位もしくは立位の正しい姿勢の ままっすぐ前を向いて行います。耳の上にタオルの中心をひっかけ、片手でタオルの両端を持ち、ゆっくり首を倒します。30秒ほどキープしたら、ゆっくりと戻します。両側行います。

    

 

(2)肩甲骨を動かす

A.両肩を斜め前方にすくめるように挙げ、ゆっくりと後ろへ移動させます。肩甲骨を寄せるようにして後ろへ移動しきったらゆっくりと下に降ろし、正常位に戻ります。5~10回繰り返します。

    

B.胸の前で手を組み、大きなボールを抱えるように円を作ります。肩甲骨を外側に開くように手を前に伸ばします。わきの後方の筋肉が伸びているのを感じながら30秒ほどキープし、ゆっくり戻します。

   

 

(3)腰のストレッチ

A.仰向けに寝て、両膝を立てます。ゆっくり両ひざを右に倒し、腰からお知りにかけてを伸ばします。この時左肩が地面から浮かないように注意してください。30秒ほどキープしたら、ゆっくり両ひざを真上に戻し、左側へそのまま倒します。再び30秒ほどキープしたのち、元に戻します。

 

B.仰向けに寝た状態から右膝を立てます。腰を回転させて右ひざを左側に倒し、右膝の外側を左手で押さえながら腰を伸ばします。右手は広げて右肩が床から浮かないように注意します。30秒ほどキープしたらゆっくり仰向けに戻り、反対側を伸ばします。

 

肩が浮かないように

 

(4)目のマッサージ

眉毛の一番内側より1cmほど下(骨の際)に親指の腹を上向きにして当てます(骨を触る)。指の腹に頭の重みを軽く預けるように力をかけます。10秒ほどで体重をかけるのをやめ、2~3回繰り返します。力をかけ過ぎていしまうと負担が大きすぎるので軽めに押しましょう。

     

 

(5)腹式呼吸

仰向けに寝て、両膝を立てます。両手を組んでお腹の上に置き、ゆっくりと深呼吸を行います。鼻から息を吸うと同時にお腹が膨れるようにします。息を吐くと同時にお腹をへこませます。5回ほどゆっくりと繰り返しましょう。

 

特に首からお尻にかけてのマッサージをご紹介しましたが、これ以外にも手足をぶらぶらさせる、思い切り目をつぶったあとに目を見開く、などといった方法もいいと思います。定期的に身体を動かしましょう。

 

⑥最後に

いかがでしょうか。自宅では仕事のスタイルは人それぞれですので皆様にあったツールを選んでみてください。

身体をツールに合わせるのではなく、身体に見合ったツールを探すことが身体を不調から守るためのキーポイントです。長時間の姿勢キープを常態化させず、運動を交えながら日々のお仕事、頑張ってくださいね。

 

 

参考文献

・首都大学東京大学院教授・理学療法士・医学博士 武井仁著:正しく理想的な姿勢を取り戻す姿勢の教科書:ナツメ社
・ケリー・スターレット他著:ケリー・スターレット式「座りすぎ」ケア完全マニュアル:医道の日本社

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